自社サイトのUX設計、制作会社がこだわった7つの工夫
Web制作会社のサイトは、いわば「自分たちの腕を試される場所」です。クライアントには使いやすさと成果につながる設計を提案しているのに、自社サイトが使いにくければ説得力がありません。私たち合同会社ギャラクタスも、自社サイトを作る際にはクライアントワークと同じ基準、いやそれ以上の基準でUX(ユーザーエクスペリエンス)を検討しました。
この記事では、自社サイトのUXで私たちが実際にこだわった7つの工夫を、なぜそう判断したのかという理由とセットでお伝えします。制作会社の思考プロセスを公開するものなので、自社サイトの改善を考えている方にとって、そのまま使えるチェックリストにもなるはずです。
1. 誰に何を届けるかを最初に固める
UXの設計は、画面のデザインより先に「誰が、何を知りたくて来るのか」を決めるところから始まります。私たちのサイトの主な訪問者は、Webサイトの制作やリニューアルを検討している経営者、マーケティング担当、発注担当です。この人たちが知りたいことは、突き詰めると4つしかありません。
- どんな会社か
- 何ができるか
- 実績はあるか
- どう相談すればよいか
サイトの構造は、この4つの問いに最短距離で答えられるように組みました。逆に言うと、この問いに答えない情報は、どれだけ載せたくても優先度を下げています。情報を並べることではなく、「読んだ人が次の行動を選びやすいこと」を設計のゴールにしたのです。
UXで優先した基準も3つに絞りました。ファーストビューで何の会社か伝わること。知りたい情報に少ないクリックで届くこと。相談を考えた人が心理的なハードルを感じにくいこと。デザインのトレンドや見た目の好みは、この3つを満たした後で検討する順序にしています。
2. ファーストビューは数秒で判断される前提で作る
サイトを開いた瞬間の一画面で、訪問者は「自分に関係あるサイトか」を判断します。この判断は数秒で下されるため、ファーストビューには「Web制作とサイト改善の会社であること」と「相談の入口があること」の2つだけを、迷いなく伝わる形で置きました。
キャッチコピーは専門用語を避け、提供する価値を平易な言葉で書いています。制作会社のサイトはつい「DXソリューション」のような抽象語を使いたくなるのですが、発注を検討している方が探しているのは、かっこいい言葉ではなく「自分の困りごとを解決してくれそうな会社」ではないでしょうか。無料相談への導線は、スクロールしなくても視界に入る位置に固定しています。ファーストビューの設計原則はファーストビューでCVRを高めるデザインの考え方でも詳しく扱っています。
デバイス別の最適化も欠かせない工程です。PCでは横長の画面を活かしてメッセージとビジュアルを並べ、スマートフォンでは縦の限られた空間に伝えたいことと行動喚起を集約する。同じ内容でも、見せる順番と密度をデバイスごとに設計し直しています。
3. ナビゲーションは訪問者の語彙で作る
メニューは「サービス内容」「事例・実績」「会社情報」「コラム」「お問い合わせ」という、訪問者が探しそうなカテゴリで構成しています。ここでのこだわりは、メニューのラベルに独自の名称を使わないことです。
制作会社のサイトには「Works」「Our Story」のような英語ラベルや、オリジナルのネーミングを使ったものも多くあります。デザインとしては魅力的ですが、初めて訪れた人には中身が想像できません。迷わせないことを優先し、一般的な名称に寄せる判断をしました。
階層の深さも制御しています。主要な情報には2階層以内で届くようにし、サービスと問い合わせのような重要ページへはトップページから直接リンクを張っています。階層が深くなるほどクリックのたびに離脱の機会が生まれるからです。一方、数が積み上がっていくコラムは、一覧ページにカテゴリ絞り込みを用意して、目的の記事へ到達しやすくしています。
4. 読みやすさはWCAGを基準に整える
文字のサイズ、行間、1行の長さ、余白は、長く読んでも疲れにくいバランスに調整しています。コラムを読みに来た人が記事の途中で疲れて離脱してしまっては、せっかくの知見も届きません。
色のコントラストは、WCAG(Webアクセシビリティの国際的なガイドライン)の基準を意識して設計しました。薄いグレーの文字はおしゃれに見えますが、読みにくさと引き換えです。アクセシビリティへの配慮は障害のある方だけのためではなく、明るい屋外でスマートフォンを見る人や、老眼が始まった経営者層にも効いてきます。ビジネスとしてのメリットはWebアクセシビリティが事業にもたらす利点にまとめています。
ボタンとリンクは、指で押しやすいサイズと間隔を確保しました。フォームは入力項目を必要最小限まで削り、ラベルとエラー表示を分かりやすくしています。項目を1つ減らすだけで送信率が変わることは、クライアントのサイトで何度も見てきました。
フォーム設計で私たちが自問するのは、「この項目は、最初の相談の段階で本当に必要か」です。部署名、電話番号、予算感。あれば営業はしやすくなりますが、入力する側の負担は確実に増えます。詳細は返信のやり取りで聞けばよいと割り切り、最初の接点は「名前、連絡先、相談内容」に近い最小構成へ寄せています。フォームは会社側の都合ではなく、送信する人の心理的コストで設計するものだと考えているからです。
5. 表示速度は「待たせない」を最低ラインにする
表示が遅いサイトは、内容を見てもらう前に離脱されます。Googleの調査では表示に3秒以上かかるモバイルページは半数以上の訪問者を失うため、画像の圧縮と適切なフォーマットの選択、不要なスクリプトの削減、キャッシュの活用で、速度を確保しています。派手な演出を足すかどうか迷ったときは、「その演出は待たせる価値があるか」で判断するようにしています。実際、トップページに動画背景を入れる案を検討したときも、読み込みの重さと伝わる情報量を天秤にかけて、静止画とテキストで伝える構成を選びました。具体的な高速化の手法はWebサイトの表示速度改善ガイドをご覧ください。
技術面の信頼も、UXの一部です。HTTPSによる通信の暗号化、個人情報を扱うフォームの適切な処理、プライバシーポリシーの明示。相談という行為は信頼が前提なので、目に見えない部分の安心感まで含めて設計しています。
6. 相談への導線は複数の温度感を用意する
「いきなり問い合わせはハードルが高い」と感じる訪問者は多いものです。そこで、無料相談への入口を、ファーストビュー、各サービスページ、コラムの末尾と、温度感の異なる複数の場所に配置しました。今すぐ相談したい人も、まず記事を読んで会社の考え方を確かめたい人も、それぞれの温度感のまま次の一歩へ進めるようにするためです。
コラムや事例の末尾では、その記事のテーマに関連する相談内容に触れてから誘導しています。読んだ内容と関係のない画一的なバナーを貼るより、「この記事のテーマで困っているなら、こういう相談ができます」と具体的につなぐ方が、読者にとっても自然な流れになるのです。
7. 公開後も数字と声で直し続ける
自社サイトは公開して終わりではなく、運用しながら改善する資産として扱っています。アクセス解析とヒートマップで離脱ポイントを確認し、問い合わせに至った経路を追いかけ、実際のお客様の声と突き合わせて、メニューの文言や導線を少しずつ調整してきました。
この改善プロセスで実感しているのは、大がかりなリニューアルの前にできることが意外と多いということです。ヒートマップで「読まれていないセクション」を特定して並び順を変える、ボタンの文言を変える。こうした小さな改修の積み重ねだけでも、問い合わせまでの流れは目に見えて変わります。
見直しの頻度は、月次でアクセス解析の数字を確認し、四半期に一度は導線全体を歩き直すリズムに落ち着きました。毎日眺めていても変化には気づきにくく、間隔を空けすぎると仮説が古くなります。自社サイトの運用リズムに迷っている方は、まずこのくらいの間隔から始めてみてはどうでしょうか。
まとめ
自社サイトのUXで私たちがこだわった7つの工夫を振り返ると、共通しているのは「訪問者の判断を邪魔しない」という一点です。誰に何を届けるかを固め、数秒で伝わるファーストビューを作り、迷わないナビゲーションと読みやすさを整え、待たせず、温度感に合った相談の入口を開けておく。どれも派手さはありませんが、成果につながるサイトの土台はこの積み重ねだといえます。
自社サイトを見直すときは、この7つを上から順にチェックしてみてください。順番に意味があり、上にあるものほど成果への影響が大きい項目です。どこかに引っかかりがあれば、そこが改善の起点になります。
UX改善と問い合わせ導線のご相談
自社サイトの使いやすさに課題を感じている、アクセスはあるのに問い合わせにつながらないという方は、合同会社ギャラクタスにご相談ください。この記事で紹介した7つの観点で現状のサイトを診断し、リニューアルまでせずに改善できる箇所と、作り直した方がよい箇所を切り分けてご提案します。無料相談で、いまのサイトの気になる点をお聞かせください。
Web制作会社ギャラクタスでは
ホームページ作成・運用を承っています
ホームページの新規立ち上げや既存サイトのリニューアルを始めとしたWeb制作全般に関して、
企画・構成からデザイン・コーディングまで一貫して行っています。
Webサイトの制作・運用に関するお悩みやご要望は、当社までお気軽にご相談ください。